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2005.01.30

田尾さん(not楽天)の本を買う

久々に田尾さんの本を買った。といっても楽天の田尾監督の本ではない。
田尾和俊さん、昨今の讃岐うどんブームを語る上で欠かすことの出来ない人である。
香川のタウン情報誌「タウン情報かがわ」の編集長だった田尾さんが「麺通団」なる集団の団長としてその雑誌で連載を始めた「ゲリラうどん通ごっこ」が、讃岐うどんブームのきっかけを作ったといわれている(この連載をまとめた「恐るべきさぬきうどん」という本が5冊発売されている。最近では文庫本2冊に再編集されたものがある。この記事の最後にご紹介したい)。

そんな田尾さん、現在は四国学院大学教授だそうだが、昨年末に出された本が、今日購入した
「団長の事件簿「うどんの人」の巻 ―超麺通団2」である。

今回は、いつもの「あやしいうどん屋紹介」がメインではなく、家族で行ったオーストラリア旅行の話や、タウン情報誌立ち上げ時の話が中心となっている。どちらの話も、ちょっとしたビジネスのヒントになるような部分があったので、ちょっと得した気分になった(そんなことはひとっつも期待していなかったのだが)。

ただ、いつものごとく途中に、著者と周りの人間による「ボケ」と「ツッコミ」が乱れ飛ぶ文体で、呼んでいて笑いが止まらない。これはうどん屋の紹介でも同じで、うどんや店の紹介よりも、そこに至るまでの全然関係の無い話のやり取りが絶妙なのである。

と、ここまで書いて気づいた。

田尾さんの本編よりも面白い前フリ文章とか、スタパ斎藤さんの異常なまでに修飾詞が付きまくっているグッズの紹介文とか、内田百閒先生の「阿房列車」シリーズに見られる、列車に乗る前に読者へ言い訳しながら書いている文章など、そういうものが自分としては好きらしい。

これって、「どうでしょう」も同じではないだろうか。先にあげた方々の文章ももちろん、本編の面白さは言うまでも無い。でもそれとは関係ないにもかかわらず、前後についてくる部分が面白かったりする。「どうでしょう」さんもそうだ。前枠・後枠の、本編とは全く関係なく進行しているにもかかわらず、時には本編よりも爆笑できる。

一見「無駄」や「冗長」に思えるところに、面白さがある。そんな記事が書けるようになりたいものである。

今回記事で紹介した著者の本一覧
田尾和俊さん
恐るべきさぬきうどん―麺地創造の巻(新潮文庫)
恐るべきさぬきうどん―麺地巡礼の巻(新潮文庫)
超麺通団―団長田尾和俊と12人の麺徒たち
※上記3冊を「うどん屋ガイドブック」として利用することはおすすめしません。これらの本は、うどんをネタにしたお笑い本(?)です。
うどん屋めぐりには「さぬきうどん全店制覇攻略本2005年度版」(ホットカプセル刊)がおすすめです(Amazonさんでは最新版の扱いなし)。

スタパ斎藤さん
スタパ斎藤の物欲番長―デジタルグッズ超買いまくり紀行
現在も「週刊アスキー」にて連載中の人気コーナーの本。

内田百閒先生
第一阿房列車(新潮文庫)
第二阿房列車(新潮文庫)
第三阿房列車(新潮文庫)
宮脇俊三先生の本が好きな方なら、ぜひご一読を。

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