スターダスト･レビュー２５周年記念ベストアルバム「HOT MENU」を聴く

今年デビュー２５周年を迎えるスターダスト･レビューさんの記念ベストアルバム「HOT MENU」を買ってきた。
この「HOT MENU」、２枚組のＣＤに２５曲＋ボーナストラック１曲が入って、お値段なんと２５００円（税込み）！破格である。１曲あたり１００円（ボーナストラック除く）というのは、今流行の「音楽配信」よりも安いのではないだろうか。

収録されている曲は、「スタレビ好きがまだスタレビを知らないあなたに聴かせたい２５曲」をテーマに、スタレビさんのライブに来たお客さんや全国のイベンター・放送関係者・スタッフ・ファンクラブ会員からリクエストを募り、そこから選曲されているという。

以前、このブログでＴＢ企画として「あなたの好きなスターダスト･レビューの曲を教えてください」てなことをやったことがあるが（結果はこちら）、面白いことにある一つの「傾向」が一致していることに気が付いた（もちろん、票数は比べ物にならないくらいの差があるのだが）。

「ＨＯＴ　ＭＥＮＵ」に入っているブックレットに、今回のリクエストについてこんなことが書かれている（以下引用）。

ちなみにとっても興味深かったのは、１、２票の曲が７０曲以上あったこと
（引用ここまで）

一方、このブログでのＴＢ企画の結果では、こんなことを書いている。

件数がそれほど集まらなかったので、傾向が読み取れるというものではないと思うが、曲目が偏らなかったというのは、予想通りであった。

やはり、スタレビさんの曲が幅広いジャンルをベースにしているが故に、ファンの「好きな曲」「聴かせたい曲」に偏りがあまりないのかもしれない。

さてこの「ＨＯＴ　ＭＥＮＵ」、２枚組ということなのだが、「Disc1」「Disc2」という呼び方をせず、「Red Side」「White Side」という呼び方になっている。「Red Side」には、古い楽曲を、「White Side」には、新しい楽曲をそれぞれ年代をさかのぼりながら収録されている。曲を、年代とともにうまさを増す「赤」ワインと、新しくても深さを味わえる「白」ワインに見立てているそうである。あと「紅白」で縁起がいい（笑）ということもあるようだ。

収録されている曲は、これまでに発売されたＣＤの音源を使っているので、

「曲順さえ分かれば、ＣＤ持ってるファンにとったら、買わな(ry」

などと一瞬思ってしまうのだが、そこはスタレビさん、ぬかりなしである。ボーナストラックの１曲、これが「ミソ」である。

曲名は「おらが鎮守の村祭り」、およそ今のスタレビさんの曲らしくないタイトルである。古くからのファンの方は良くご存知のこの曲、実はスタレビさんの曲であってスタレビさんの曲ではない。

どういういうことかというと、実はスタレビさんがデビューする前、アマチュア時代に「アレレのレ」という名前で活動していたときのバンドのテーマソングがこの「おらが鎮守の村祭り」だったのである。しかも、この曲で、「一発屋製造コンテスト」の異名をとる（今勝手に名づけた）、「ポプコン」の第１８回で優秀曲賞に輝き、「スターダスト･レビュー」としてデビューするきっかけになった曲なのである（ちなみに、第１８回の優勝者はクリスタルキング、「大都会」である）。

今回この曲をボーナストラックに入れるにあたり、現在のサポートメンバーである添田啓二さん、岡崎昌幸さんに加えて、スタレビ初代キーボード・現在はesqとして活動している三谷泰弘さん、２代目キーボードの光田健一さん、ツアーサポートメンバーだった山本公樹さん、ライブアルバム「No Ballads」に参加したBIG HORNS BEEさんが集まり、レコーディングを行っている。ブックレットにはそのときの集合写真や、参加メンバーのコメントも載っている。

個人的には、この曲と、集合写真と、コメントを見るだけでも「２５００円」の価値はあると思う。さらに、収録曲のひとつひとつに根本要さんのコメントがつけられており、こちらもまた読み応えがある。

収録曲の選曲については、人それぞれ「これはいい！」「この曲はいまいち」「これ入れるんだったら、こっちの曲のほうがいい！」などと思うに違いない（実際自分がそうだった）。でも、全体的にはまずまずのバランスが取れているのではないかなとも思う。値段もお安いので、スタレビ初心者の方にも比較的おすすめできるＣＤである。

個人的におすすめの聴き方は、「Red」と「White」を混ぜ合わせて聴くことである。新しい曲と古い曲を入り混じって聴いていると、どの曲においても古さも新しさもない、スタレビさんの「真髄」に触れることが出来るような気がする。