神戸新聞の記事「地方劇団表舞台へ」を読む
本日(2008年2月19日)付の神戸新聞朝刊を見ると、「地方劇団表舞台へ」という記事が掲載されている。
この記事では、地方を拠点に活動する劇団が、東京公演を行い、そのテーマ性と臨場感で東京の演劇ファンをひきつけ人気を博しており、また大手プロダクションも「魅力的なコンテンツ」として、地方劇団に注目していることを取り上げている。
記事の中では、阪神・淡路大震災の救助活動に当たった消防隊員の葛藤と誇りを描いた舞台「オレンジ」(劇団「ピープル・パープル」)の東京公演(3日間)の前売り券がほぼ完売したことを紹介している。この舞台の衣装の制服や装備品は神戸市消防局から貸与された本物で、劇団員はレスキュー隊の訓練にも参加されたそうである。
演劇公演のエリア別集中度(ぴあ総合研究所「エンタテインメント白書」2007年度版)を見ると、関東が圧倒的に多く(71.9%)、地方劇団は観劇人口が圧倒的に多い東京を発表の場にすることでようやく採算が取れるという事情もあるという劇団関係者のコメントも紹介している。
そして、次に紹介されている劇団が、先日東京公演を行った福岡の「ギンギラ太陽’s」である。
「福岡でしか見られない作品」にこだわり、「天神」「ひよ子」「西鉄バス」といった身近なモノに物語性を見出してきたと紹介している。
2005年に地震のため中止になった地元公演の代わりに東京で上演したことが転機となり、その演目「翼をくださいっ!さらばYS-11」の再演(今年1月)では、約3500人を動員したという。記事のなかでは、かぶり物をした舞台の様子が写真で紹介されている。
最後に、この「ギンギラ」さんの東京再演の共同製作に加わったアミューズが、
『2004年に北海道の人気劇団でタレント大泉洋さんらを擁する「チーム・ナックス」と業務提携し、全国公演を展開、人気を全国区に押し上げた。』
(『』内は記事本文より引用)
と、ナックスさんについても僅かではあるが触れられており、アミューズのプロデューサーは、今後も集客力のある地方劇団の発掘に力を入れるということで、記事は締めくくられている。
地方劇団を観るためには、その地方に行かなければ観ることができない、そのことが一種の「ステイタス」のようになっていた時代は、もう終わってしまったのかもしれない。
地方劇団が生き残っていくためには、現実問題として、集客力のある都会・それも「東京」へ出て行かなければならない。そうやって知ってもらうことで、今度はその劇団の「地元」まで客を引っ張ってくる・・・まあ、そうなったら今度はもともと地元で見ていた人たちがチケットがとりにくくなったりして、観られなくなる可能性もあるわけだが、地方劇団が活動を続けていくためには、そういった流れも必要になってくるだろう。
記事を読んで、あらためて思う。
先日東京で「ギンギラ太陽’s」さんの公演をスケジュールの都合で観ることが出来なかったのが悔やまれてならない。今度公演があったときには、何とか都合をつけて観たいものである。
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