NHK「おはよう日本」に樋口了一さん登場
本日(2009.4.12)のNHK「おはよう日本」に、樋口了一さんが出演されていた。
NHKの番組サイトに掲載されている放送内容には、
介護の歌「手紙」に込めたメッセージ
~シンガーソングライター・樋口了一さん~
と書かれており、どんな風に取り上げられるのか気になる。あまり「介護」の部分は強調してほしくないなあという思いがよぎる。
午前7時、番組がスタート。
「主な項目」の紹介で、3番目に登場!樋口さんがギターを弾きながら歌う姿が流れる。
さらに、「ポストマンライブ」で登場し、歌っている様子も流れる。
紹介コメントは、
「老いていく親が子供への思いをつづった歌『手紙』。異例のロングセラーとなっています。
何が人々の心をとらえているのでしょうか。」
お、この紹介のしかたはいいのではないか?ちょっと期待が持てる。
7時23分、スポーツコーナーが終わり、いよいよ樋口さんの登場である。
ブリッジ映像のテロップには、こう書かれていた。
このあとは
「老い」と向き合う歌
ぜひ聴いてください
いよいよである。では、内容については続きへ。
首藤奈知子アナウンサーと森本健成アナウンサーの後ろには、「手紙」の歌詞が掲示されている。
そして、「手紙」のPVが流れる中、この曲が「老いていく親がわが子を思う気持ちをつづった歌」であること、さらに去年10月の発売以来、異例のロングセラーとなっていることも紹介される。
歌詞の冒頭部を森本アナウンサーが朗読し、「誰もが避けて通れない老いや介護の現実を見つめたこの歌、今、共感の輪が広がっています」と続ける。
画面下のテロップは、
共感広がる“老い”と向き合う歌
ああ、よかった。「介護」が強調されていない。少し安心しながら続きを見る。
まずはギターを弾きながら歌う樋口さんの映像とともに、樋口さんについて、これまでにSMAPや沢田研二さんなど多くの歌手に楽曲を提供してきたシンガーソングライターと紹介する。
画面右上にはこんなテロップが表示されている
“親愛なる子供たちへ”
老いと向き合う歌
そして、「手紙」の歌詞を訳したものを見せる様子が流れ、この歌詞との出会いが紹介される。
再びギターを弾きながら歌う樋口さん。そして、この詩と出合った時に熊本に住むお父様のことが思い浮かび、詩の言葉に心を揺り動かされたというエピソードが紹介される(樋口さんとお父様とお子さんの写真も登場)。
樋口さんは語る。
「言葉そのものはすごく老いていく現実を赤裸々に表現している言葉なのに、その言葉の後ろ側にすごいゆるぎのない優しさが伝わってきた。」
そう、これこそこの歌の「本質」なのである。これをきちんと伝えたNHK、GJ!である。
ここからは、歌に対する反響の紹介である。
まずは、長野県でクリーニング店を経営する方が登場。
8年前から認知症の母親を介護していて、ほぼ24時間つきっきりで介護する毎日で、「人生を台無しにされた」という思いを拭い去ることが出来なかったときに、この「手紙」と出会い、「介護してあげている」と恩着せがましくしていたのだが、歌を聴いてちゃんと振り返ることができ、自分も親にいろいろやってもらっていたことを思い出し、親に対して素直になれたという。「手紙」の一部分(同じ話を何度も繰り返すという内容のあたり)を聴いている姿が流れる。
また、親世代にも広がっているということで東京都杉並区のご夫婦が登場。
3人の子供を育て、子供たちに迷惑は掛けたくないと思っていたが、この歌を聴いて心が動いたという。こちらでも「手紙」の一部分(あなたの人生の始まりに付き添ったように私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしいという内容のあたり)を聴いている姿が流れる。
続いては、樋口さんの元に出張ライブの依頼が相次いでいるということで、東京都北区、病院でのポストマンライブの様子が流れる。
樋口さんが再び語る。
「届けるという役割、その気持ちを忘れないようにしたい。聴いてくれる人に直接手渡ししているという気持ちをなくさないよう歌い続けていきたいと思います。」
最後は、「手紙」の最後の部分を歌う姿が流れてVTRが終わる。
森本アナが、「きっと心の奥底にある、言葉には表さない思いを代弁している歌詞で、それが子世代、親世代に広がっている」という締めくくりで特集は終了。
約11分の特集コーナーであったが、VTRの合間にその内容に応じた「手紙」の一部分がうまく使われており、また、変に過剰な演出もなく、懸念していた「介護」の部分だけが強調されることもなく、この歌のよいところが十分に伝わる内容だったのではないかと思う。
こういう紹介の仕方が出来るのは、さすがNHKである。この特集をきっかけに、いい形で
「手紙」が広がっていけばいいなあと思う。
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コメント
見ました。「おはよう日本」。
良い紹介のされ方でしたね。
私も「介護の歌」という紹介のされ方には違和感があります。
はじまりがあって終わりがある、それは表裏で繋がっていて、同じ事で、そして当たり前に続いていくものなんだよ、私はこの歌にそんなことを感じます。
投稿: FairWind | 2009.04.12 10:56
FairWind様
コメント&TBありがとうございます。
きちんとこの曲を理解した人が取材し、構成・編集したんだなということが伝わってくる内容だったと思います。
「はじまりがあって終わりがある」「当たり前に続いていくもの」というところは、樋口さんにとっては「手紙」と同じ「応援歌」だという「1/6の夢旅人」にも通じるところがあるように感じます。
投稿: K_S | 2009.04.12 16:56