あれから15年、テレビを見て思ったこと
ここ数年、1月17日に記事を書いていなかった。毎年何かを書こうと思うのだが、考えがまとまらないまま結局書かずにきた。今年は、昨日・今日と見たテレビ番組の感想を交えながら少し書いてみようと思う。
まず昨日見たのは、関西テレビ(フジテレビ系)の「土曜プレミアム」枠で放送された「阪神・淡路大震災から15年 神戸新聞の7日間~命と向き合った被災記者たちの闘い~」である。
これは、「神戸新聞の100日」という本を原作にしたもので、地元紙である神戸新聞が、阪神・淡路大震災によって新聞発行が不可能な状況になりながら、1日も休まず新聞を発行し続けた、その姿を描いたものである。
番組では、震災当時の映像や写真がふんだんに盛り込まれ、さらに神戸新聞のカメラマンや記者など本人へのインタビューもドラマの合間に挟み込まれ、限りなくノンフィクションに近いドラマとしてまとめられていた。
個人的には震災による被害をほとんど受けていないのだが、当時の映像や写真を見ると、通勤途上で見たり感じたりしたあのときの「空気感」がよみがえってくる。見ていてつらくなってくるところもあったが、神戸新聞や新聞発行に協力した京都新聞の方たちの新聞製作にかける思いが、強く伝わってくる。
ドラマの最後のほうで、BGMにサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」が流れていた。神戸新聞の存在が被災した人々の心を支え、前へと進む「希望」を与えていたのだと、この曲を聴きながらそう感じた。
そして今日見たのは、NHK総合の「よみがえる震災の記憶」である。こちらは、マスメディアではない、一般の市民(被災者)が撮影したビデオテープを中心に構成された番組であった。
通勤途上、歩きながら被害状況を語る映像や、ぐちゃぐちゃになった家の中の映像、知人の安否を訪ね歩く映像などが次々と流れる。
どの映像も、プロが撮影したものではない。そこに映し出されているのは、被災者の生の姿であり、被災地の生の姿。これほど直接的に訴えかけてくる「画」はない。こうした映像は、あの震災がどんなものだったのか、そしてこれから起こるであろう災害にどう対処すべきなのかを考える上で、大変重要な役割を果たすのではないかと感じた。
この15年の間にも日本国内や世界の各地でさまざまな災害が発生している。そしてこれからも災害を完全になくすことはできない。だからこそ、あのときの「体験」を忘れてはならないし、伝え続けていかなければならないのだと改めて思う。
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