多数決・3票差で廃線決定ってどうよ?長野電鉄屋代線
廃線から奇跡の復活を果たす話題(記事はこちら)の後に、今度は悲しく、ちょっと「それはどうなのよ?」と思ってしまう話題を取り上げてみる。
長野電鉄屋代線、3票差で廃止決定(読売新聞)
長野電鉄屋代線は、長野県千曲市の屋代駅から長野県須坂市の須坂駅までを結ぶ全長24.4キロのローカル線である。
記事によれば、同線は毎年1億数千万円の赤字が出ており、長野市など沿線自治体や関係者による「長野電鉄活性化協議会」が、
(1)引き続き増便などの実証実験を実施
(2)存続検討のため運航を一時休止しバス代替運行
(3)廃止してバス代替運行
の3案から無記名投票を実施した結果、「廃止」14票、「実験継続」11票、白紙1票という結果になったとのこと。
今後は協議会で代替バスの路線・停留所・運行主体などを決めた後、長野電鉄が国土交通省に廃止届を出すことになるという。
これに対して、長野市議会の公共交通対策特別委員会が開かれ、反発の声が相次いだとのこと。
この記事によれば、「存続11対廃止14の多数決は、活性化協議会の総意と認められない」といった声や、実証実験が3ヶ月で打ち切られたことに対する不満、また再生を前提とする「地域公共交通活性化法」を想定していないという指摘もあり、協議会の運営そのものへの批判も出ているようである。
毎年1億円以上の赤字というのは、企業からすればかなり厳しいものであることは間違いないだろうが、地域住民の足である鉄道が、「多数決」という決め方、それもわずか3票しか差がついていないのに、「廃止」で決着をつけてしまうというのは、やはりあまりにも強引なように思える。最初から「廃止ありき」で協議会が運営されたようにも見えてくる。
長野電鉄といえば、この春から元NEXの車両が新たに導入され、明るい話題を提供している鉄道会社というイメージがあったのだが、今回の屋代線の廃止問題でそのイメージは一気にかき消されてしまった。
ここから一転、存続への道が開かれることはあるのか、今後注目していきたいところである。
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