「樋口了一・定例ライブ&ポストマンライブ 東京追い出しライブ」に行く
4月に開催予定だった樋口了一さんの東京追い出しライブが7月16日に行われた。
当然行くつもりでずいぶん前から段取りをしていたのだが、仕事量がかなり増えてしまい、当日までいけるかどうか分からないという状況に追い込まれていた。前週のギンギラ太陽'sさんの公演は仕事のため結局観にいくことが出来ず、これで樋口さんのライブも観られないなんてことになると・・・これはなんとしても行かねばならない。
というわけで、当日午前中何とか仕事をある程度段取りをつけ、後は他の人に任せて仕事場を出発。新大阪駅でホームに上がると、そこには「黄色いあいつ」が!!!
ドクターイエローさんである。ちゃんと見たのはこれが初めてかもしれない。3連休初日ということもあってか、親子連れがたくさん記念撮影をしていた。
しばらくすると乗るべき新幹線が隣のホームに到着したので乗り込み、出発。
駅のコンビニで買った弁当を食べ、疲れを取るべくうつらうつらしている間に、品川駅に到着。ここからは山手線に乗り換えて池袋駅へ。
久しぶりの池袋、というか、久しぶりの「人ごみ」にかなりやられながら、会場であるアムラックスへ。
展示されている車には目もくれず(苦笑)、エスカレーターを上っていくと、案内看板を発見。
整理券順に案内するとのことだったので、整理券を受け取り、うろうろしているとライブでいつもお会いする皆さんに遭遇。しばしお話させていただいている間に開場。受付でライブ代金を支払い、場内に入るとここでもいつもお会いする岡山のファミリーさんに遭遇。近くの座席に座らせていただき、ライブの開始を待つ。
ステージ上には、電子ピアノとギターが両サイドにあり、中央にブームマイクといすが置いてある。さらに後ろにはいすが4客とマイクが設置してある。これは何らかの仕掛けがありそうだ。
17時に影アナ(おそらくテイチクの倉橋さんが担当)で注意事項とCD・ポストマンライブTシャツの即売について説明があり、17時7分場内が暗くなり、ギターの森竹忠太郎さんとピアノの岡本洋さんが登場。そして、ついに樋口さん登場!ライブのスタートである。
M1 春
M2 いまでも
2曲終えると樋口さんは、「樋口了一追い炊きライブへようこそ!」といって笑わせる。
本来は4月に「追い出しライブ」として行われる予定だったのがこの7月まで延期になったので熱をたてる意味で「追い炊きライブ」にしようと思ったが、暑苦しいしサウナみたいに思われてもいけないので、やっぱり「追い出しライブ」にしたという樋口さん(笑)
しばらく7th Floorでの定例ライブもやっていなかったので、今回はこのアムラックスホールを借りてのライブとなる。
1曲目は4月1日のライブで1曲目にやるつもりだった曲(だから「春」)樋口さんいわく、まだCDになっていないので「夏」として歌ってもよかった(笑)ただ、季節の「春」だけではなく、厳しい時期を越えてやってくる「春」という意味もあるし、今日本が頑張っている中で「明けない夜はない」そんな気持ちで歌われたとのこと。
2曲目の説明では、「この曲知ってました?」といった後、初めてライブにこられた方に拍手を求める。結構な拍手があり、この曲が今から18年前に樋口さんが東芝EMIからデビューした最初のシングル曲であることを説明。
樋口さんは当時練馬に住んでいて、デビュー日(CD発売日)は自宅で洗濯をしていて、乾燥機が回っているのを見ていて、ふと今日が自分のデビュー日だということを思い出し、練馬駅前のCDショップに行って、自分のCDを一番前に並べて、帰宅してから洗濯物を取り込んだそうである。
今日のライブでは自分の東京生活28年間を振り返りながら歌っていきますという樋口さん、次の曲は宮城県栗原市の田園風景の中を走っていた「くりでん」(くりはら田園鉄道)の駅舎に座って作った曲で、またあのすばらしい田園風景が復活することを祈りつつ歌う。
M3 windy train
樋口さんはこの歌を歌いながら栗原のことを思い出すのと同時に、初めて東京に出てきたときの事を思い出したという。初めて住んだのは、西武池袋線練馬駅から徒歩7分の4畳半のアパート。1年分の家賃を滞納したそうで(笑)、催促もされず、いまさら催促されてもどうしようもないという中過ごしていたそうである。
通っていた立教大学は取得単位が「0」でも上にあがれるそうで、「最後にひどい目に逢う」とのこと(笑)樋口さんは4年生の段階で14単位まで取得しており、「これで全ては学んだ」と判断した樋口さんは「自主卒業」し、バイト生活が始まった。ここからは曲とは関係ない話をするという樋口さん、そのバイトの話を始める。
「桃を売りました」 場内(笑)
アルバイト情報誌の「とにかくゼニや」というコーナーに掲載されていたというこの桃売り、まずは軽トラックを借りにいかされ、その後公園に行くと大きなトレーラーがやってきて、積まれている桃の箱をそれぞれ売りに行くというもので、「何箱売る?」と聞かれた樋口さんは何も分からず「30箱!」と答えたのだが、「それは最初は無理だ」といわれてまずは10箱持って売りに行ったそうである。その後の話は「ここではいえない」そうだ(笑)
このエピソードは、樋口さんの公式サイトのMassageのどこかに載っていたと思うので気になる方は探していただきたい。
続いての曲は、長崎県の五島列島・福江島に1000年前から伝わるみみらく伝説と初盆の家を回って踊るというちゃんここの舞をモチーフに、日本で一番美しいといわれる高浜に日が暮れるまでいて作った曲。今まで行った一番美しい海と、もう会えなくなってしまった愛する人を思い出しながら聴いていただきたい。
M4 みみらく霊歌
樋口さんは、この歌を作ったときに出会った当時5歳くらいの女の子(通称ちゃんここのちーちゃん)に、熊本に戻ったので会いに行こうと思っているそうである。
そして話はまた桃売りの話に戻る。
一時は売り上げ一位になったこともあるという樋口さん、しかし桃の時期が終わればその仕事はなくなる。その後もいろいろと「よくないバイト」もしていたらしいのだが、あるとき新宿の西口で食事をしていたときに友人の吉田さんから「まともな仕事をやれ」といわれて、連れて行かれたのが「300B」。いきなり店長の山本さんに「明日から働きますので」と紹介され、面接を受けて実際に働き始めたという。以前行われたラジオ番組のはとバスツアーでも訪れた300Bは、残念ながら7月で閉店となってしまったが、樋口さんの世代では「立教大生の第3学食」と呼ばれており、朝行っても夜行っても満員で入れない、DJもいておしゃれなところだったそうである。樋口さんもアルバイトとして働き大変お世話になったにもかかわらず、途中で雲隠れしてしまい、迷惑をかけてしまった。樋口さんいわく、ずっと迷惑をかけっぱなしで今はざんげの日々だという(苦笑)
次の曲はライブではアンコールで演奏することの多い曲。詩人の竹内めぐみさんに詩を書いてもらっている。
M5 咲ける花
樋口さんは、詩人の書く歌詞は、普通の言葉なのに普通じゃないものを感じるという。
内田麟太郎さんの「ぼくたちはなく」という詩集に出会い、その中にある「ぼくたちは」という詩を見て、言葉にメロディが宿っていると感じた樋口さんはそれを掘り起こし、内田さんには無断でライブで歌っていたそうである。その歌を聴いた内田さんのファンの方が内田さんのラジオにそのことを投稿したことでばれてしまい、樋口さんは「腹を割って話そう」と思い、電話番号を調べて直接お電話をしたところ、「ありがとう」といわれたそうである。それ以降この歌は「堂々と歌える」(笑)
全ての泣いたことのある人に歌います。
M6 ぼくたちは
ここでいきなりギター担当の森竹忠太郎さんが、「『ぼくたちは』、きいていただきました」とMCを始める(笑)
何事かと思いきや、ここからは趣向を凝らしてゲストを迎えてのコーナーになるという。
樋口さん「(ゲストは)あこがれの所さん!?」
森竹さん「いえいえ」
まず一人目のゲストとして登場したのは、樋口さんの後輩であり、森竹さんとは同級生で同じバンドに所属していたおじゃ丸さん。「樋口さんにあげたいものがある」といって取り出したのは、自らが所属するバンド「コブラツイスト&シャウト(コブシャ)」のメンバー5名による寄せ書き。それもチラシの裏に、20個くらいのメッセージがかかれたものであった。
さらに、コブシャのライブチケット1億円分と称して、1回1500円のチャージなので計算すると66666回見られるという手作りの大きな「1億円」と書かれたチケットを樋口さんにプレゼント。折れ曲がっているのは、おじゃ丸さんが横浜から持ってくるのに恥ずかしかったからとのこと(笑)
ちなみにおじゃ丸さんは横浜の白楽で「珈琲文明」というカフェをされている。客席に問うと、行ったことがある方もけっこういたようである(もちろん私もその一人だが)。
おじゃ丸さんをゲストに迎えて、まずは樋口さんとおじゃ丸さんの共通の音楽ルーツである「アリス」の曲を1節。
G1 冬の稲妻
続いてのゲストは、森竹さんやおじゃ丸さんの同級で、学生時代の所属バンドは違っていたがよく手伝っていたというサックスの宮坂さん(現在はコブシャのメンバー)。森竹さんいわく、電話1本で呼び出したとのこと。
次に演奏する曲は、その宮坂さんが結婚するときにみんなで結婚式に演奏したというビリージョエルの曲。
樋口さんは、ビリージョエルなのに、ピアノなしで(このとき岡本さんは退席中)演奏と説明し始めたところで、森竹さんからさらにもう一人ゲストがいると発表。これは樋口さんも聞いていなかったそうで、登場したのは樋口さんと同級生で学生時代の同じバンド(ロイヤルアイランダーズ)でピアノをされていた田中ヤスオさん。
樋口さんいわく、立教大学の軽音楽部のライブを観にきたつもりで聴いてください。
G2 New York State Of Mind(ビリージョエルのカバー)
大学時代は、たいてい被り物をして演奏をしていたそうで、森竹さんは肉襦袢、ピアノのヤスオさん(訂正)ボーカルのOじゃMさん(一部伏字で(笑))は、ライブハウスでシャンプーをして怒られたそうである(どんなバンドやねん!)
次の曲もまだまだ春の歌。
M7 桜street
次の曲は、音楽を夢見て東京に出てきたとき、周りは誰も知らない、不安が多い中で、心の中には大きな夢があった、そんな気持ちを歌った曲、今回このライブで歌えることがうれしいともおっしゃっていた(ように思う・・・ちょっと記憶があいまい)
M8 GOGH
盛り上がった状態で次の曲へ。そう、いつものアレをみんなでコール!
M9 1/6の夢旅人2002
今回のコール&レスポンスは「池袋中」「アムラックス中」「東北中」「福島中」「東京中」
その途中で樋口さんは、「やっと今日追い出された気がします。でもしつこくやって来ます。これからもよろしくお願いします。」とおっしゃっていた。
18時38分、本編が終了。もちろんこれで終わりではない。アンコールで再び登場である。
元気で行きましょう、いろんな意味で前向きにしかなりようがないという樋口さん。アンコール1曲目はカバー曲。手拍子と足拍子を観客に依頼する。
ア1 さよなら東京(ビリー・ジョエル「さよならハリウッド」の替え歌カバー)
樋口さんが熊本で車を運転しているときにラジオからこの曲がかかったのをヒントにしたとのこと。
ここでテイチクの倉橋さんが登場。ここからはポストマンライブになるという。
2年前に始まったポストマンライブも100回近くまでやって来た(途中でカウントが分からなくなっていて100回を越えているかもしれないらしい)。ポストマンライブのルールである「依頼者の思い」、今回はライブの観客の思いを代表して倉橋さんから依頼の言葉が述べられる。
ポストマンライブはもう回数にこだわらず「永遠の99回」で良いのではないかと思う。いつか「手紙」のふるさとであるブラジルで行うポストマンライブが100回目になればいい・・・そんなことをおっしゃっていたように思う。
ポストマンライブ1曲目は、特別ゲストを迎えての演奏となる。日本フィルハーモニーカルテットの皆さんが登場。ステージ後方に設置してあったいすとマイクはこの方たちのためのものだったのか!
以前熊本の予備校で「1/6の夢旅人2002」がCMで使われていたときに、共演したのがきっかけで、いつか一緒にやりたいねといっていたのが今回に繋がったそうで、カルテットの皆さんは他の仕事を終えてから急いで駆けつけたため、ぶっつけ本番で演奏するとのこと。
P1 朝花
実はこのメンバーでポルトガル語と英語バージョンの「手紙」をレコーディングされたとのこと。
ポルトガル語は角智織さんに、英語は英語と関西弁しかしゃべれないマイケルに発音を指導してもらったそうである。
樋口さんはこの「手紙」を書いた人に会うためにブラジルに行きたいと夢が膨らんでいる。今回はそのレコーディングした編成でこの曲を歌う。
P2 手紙~親愛なるこどもたちへ~
歌い終わると樋口さんは「夢のような8分間でした」とおっしゃっていた。
続いてはポストマンライブではおなじみのあの曲である。樋口さんが取り出したのは「カズー」。財津和夫さんの曲なのだが、「カズー」だから財津「和」夫さんの曲ではない(笑)みんな知っているはずとワンコーラスだけ歌って本番へ。
P3 切手のないおくりもの
ここで樋口さんは、大分でライブハウス「カンタループⅡ」(うぇるかむライブの会場)をされている渕野さんがいらないギターを集めて被災地の軽音楽部に送ったお話や、「1/6の夢旅人2002」が東北で愛されている歌なので、歌いにいこうと思っているという話をされていた。
そして、いよいよ本当にラストの曲である。これまで出会ってくれた全てに人に感謝の気持ちを込めた歌。
P4 Road of the Sun
最後にメンバー紹介をして、これからもこのメンバーでライブをしに来ますのでまた来て下さい(といったニュアンスだったと思う)といってライブは19時20分に終了。
この後、ゆっくり晩御飯でも食べて一泊して明日ゆっくり帰ることが出来ればよかったのだが、明日も朝から仕事のため、泣く泣く会場を後にする。出口のところで樋口さんがいらっしゃったので、ご挨拶と握手をさせていただき、一路人ごみの中を池袋駅へ向かい、山手線で東京駅へ。そこから新幹線と在来線と、最後は体の疲れに耐え切れずタクシーを使って帰宅となった。
さて次はいつ樋口さんの生歌を聴くことが出来るだろうか・・・そのときは余裕を持ったスケジュールで臨みたいものである。
(追記)もっとすばらしいライブレポ記事をご紹介。ぜひお読みいただければと思う。
Riezo@大阪(Riezoさん)「樋口了一追い出しライブin池袋(7/16)」
ちっぷのお気楽な毎日(ちっぷさん)「樋口了一東京追い出し(定例&ポストマン)ライブ in アムラックスホール」
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コメント
ギンギラ公演、来られなかったんですね~。
お仕事ご多忙のようで、酷暑のなかご自愛ください。
観劇記とついでに山笠見物記BlogUPしてますのでよかったら。
http://tfreak.cocolog-nifty.com/
もうすぐ「まちモノ語り」の映画が公開されるらしいです☆
詳しくはギンギラ公式サイトに載ってると思います。
投稿: のはらゆうこ | 2011.07.20 05:45
のはらゆうこ様
コメントありがとうございます。
ギンギラさん、本当に残念でした・・・でもブログを拝見して、観た気分になりましたよ。山笠もすごいですねえ、こういうのはやはり実物を見に行かないと!と思ってしまいます。
映画ですか!これは関西でも上映されるのでしょうかねえ?続報を期待して待つことにします!
投稿: K_S | 2011.07.23 20:59